腰痛やぎっくり腰の治療について

腰痛、ぎっくり腰の治療について

腰痛に限らず、全ての痛みは器質的な異常(レントゲンなどで診断される異常)から発生するというのが今までの整形外科における考え方でしたが、最近では機能的な異常からも発生することが明らかになり、しかも機能的な障害の方がはるかに多いということがはっきりしてきました。この機能的な異常を診断できなければ、もし画像診断でヘルニアや脊柱管狭窄症があれば、誤って手術をされてしまう場合もあり、その場合手術後に全く症状が改善しない可能性があるのです。
ですので機能的な障害を診断できなければ、痛みやしびれの誤診につながりかねず、腰痛はもちろん股関節、膝関節、肩、首、手、足の痛みやしびれ、スポーツによる痛みやしびれの正しい治療はできないといっても過言ではないのです。
関節機能障害の多くは、関節包内での運動障害から生じており、その中で特に大事なのが、仙腸関節機能障害であり、これがおこると全身の関節の機能障害につながってしまうので、全身のあらゆる部位に痛みを起こしてしまうのです。
原因のはっきりしない、いわゆる非特異的腰痛のほとんどはこの仙腸関節機能障害が原因なのです。そしてこれを診断するのに不可欠なのがAKA-博田法であり、また治療するにも同じAKA-博田法という方法が最適なのです。

当院では腰痛やぎっくり腰の疑いで来られた患者さんに、急性の感染症や大動脈瘤のような緊急性のある腰痛症や圧迫骨折などの明らかな原因のある腰痛症を除外診断した後、診断と治療を兼ねて日本AKA医学会専門医の院長が根本的な痛みの改善につながる主に仙腸関節に対する徒手療法(AKA-博田法)を行います。これは治療をかねているわけですから完全な痛みの消失がなければ、引き続き残っている炎症に対する治療を行っていきます。一般的に行われる痛み止めの飲み薬と湿布の投薬、理学療という対症療法だけという治療は行いません。AKA-博田法は効果を見ながら2~4週間毎に改善するまで行う場合があります。

一般論として、急性腰痛の場合、ある程度の安静(痛みを避けるため)が必要ですが、必要最小限にすべきです。むしろ痛くない範囲ではできるだけ動かした方が早く治ります。
内服薬や外用薬(シップ、塗り薬)などの薬物療法は炎症を伴う場合に効果があります。慢性期では、理学療法や外用薬が中心となります。最近では慢性疼痛によく効くお薬が、いくつか出てきており、内服による治療も考慮します。
押さえて痛いポイントがあれば、局所に麻酔薬と神経の炎症を治める薬の注射(トリガーポイント注射)をする場合もあります。また強い痛みには仙骨硬膜外ブロックというのが行われ、かなりの効果がある場合があります。車いすで来られた方が歩いて帰れるようになるような著効例もあります。しかしAKA-博田法を行うようになり、仙骨硬膜外ブロックをするケースはかなり減少しております。
運動療法として以前からよく行われてきたものには、腹筋などを鍛える腰痛体操やマッケンジー運動療法があります。マッケンジー法は自分で症状が改善できる可能性がある方法です。ただしどちらも急性期に行うと、悪化する場合があるので注意が必要です。
最近ではプロのスポーツ選手もよく使う理学療法の中のスーパーライザーという光線療法は局所の圧痛を伴う場合に有効で、比較的急性期にも用いられます。
慢性期の理学療法としては、通院して行う電気を使った様々な器械を使って暖めたり炎症をおさえたりするものと、自宅で行う運動療法があります。当院では、超短波のよる温熱治療、干渉波治療器による刺激療法、極超短波、スーパーライザーによる治療を行っております。また従来からの人の手によるによるマッサージ療法やウォーターベッドを用いたマッサージも行っております。

当院でAKAを希望される方は、今のところ予約は不要ですが、夜診においては20時までにお越しください。それより遅く来院されると、できないことが多くあります。

また時間と手間がかかる治療であることと、当院は保険診療の範囲でしていますので、忙しい時は後日に延期させていただく可能性があることを予めご理解いただければ幸いです。


AKA-博田法の適応

非特異的腰痛の他に、画像診断で椎間板ヘルニアや脊椎管狭窄症と診断されていても、AKA-博田法で痛みが改善される方は多くおられます。変形性膝関節症、変形性股関節症も多くは改善する可能性があります。頸部(首)の痛み、頚椎症、上肢のしびれや痛み、上肢の神経痛やしびれ、頚椎の頸部脊椎管狭窄で明らかな神経脱落症状(感覚鈍麻や消失など)がない場合も十分改善する可能性があります。
ただこの技術は熟練が必要な難しい技術で、医師か理学療法士によってしか行われていません。関節の運動を考えて治すという理論に基づくAKA-博田法は、いままでの腰痛治療にはなぜかなかった極めて論理的な方法です。ですからたとえAKA-博田法で改善しなかったとしても、それはあくまでこの技術が間違っているのではなく、技術者の技量による面が大きいためと、疾患が関節機能異常によるものではないか、もしそうであっても時期的にまだ適さないためと考えられます。AKA-博田法は治療だけではなく、手術適応を決めるために不可欠な診断方法でもあるのです。